家族など近親者の死に触れたとき、あるいは自身の病気を知ったときや事故にあったときなど、「死んだらどうなるのだろう」と誰もが考えます。
ましてやコロナ禍の今は、他人事だった死が、ぐっと身近なものになりました。
こんな方に
- 三途の川って何?
- あの世が気になる
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語り継がれる三途(さんず)の川
三途の川の渡り方
人があの世に旅立つときに渡ると言われる、「三途(さんず)の川」。
この川は「あの世」の入り口につながっていると言われています。
「三途」という表現は仏教からきているのですが、「死んだら、川を渡って向こう側に行く」という話であれば、世界に広く伝承されているから不思議ですね。
三途の川の渡り方によって、自分がいく死後の世界の様子が、だいたいわかると言われています。
仏教でいう三途とは、餓鬼道、畜生道、地獄道のこと。
生前になした善悪に応じて、あの世の行き先が決まるわけです。
また、三途の川の渡り方は大きくは三つあるようで、それが「三途」のゆえんとする説もあります。
一つめは、橋を渡ったり渡し舟に乗せてもらって渡る、
二つめは、浅瀬を苦労せずに渡る、
三つめは、深い川を溺れたり沈んだりというものです。
他にも、
水面をふわりと浮いたままスーッと渡る、
財宝できらめく橋を渡る、
船は乗れたのに沈む、
欲の深い人は川を歩いていても重くて沈む、
悪人は波にのまれ上流から流れてくる岩石で打ち砕かれる、
など、さまざまに話が伝えられています。
渡し賃が六文とは
平安時代には、三途の川は渡し舟で渡るもの、ということに話が絞られていったようで、その渡し賃が「六文」だったことから、今でもお棺には、六文銭を納める習慣が全国に残っているんだとか。
これは、当時のおさい銭が六文銭だったからだそうです。
あの世では「思い」がかたちになる
こうした話を知ると、「三途の川」というのは実にあいまいなものだと思った方もいらっしゃるでしょう。
ただこれは、その人の「思い」に応じて、さまざまな様相の「三途の川」が現れると考えてみてはいかがでしょうか。
あの世は肉体から離れた魂の世界。
持って帰れるのは心だけという話もよく聞きますね。
あの世は想念の世界なので、その人が長年過ごした「思い」にふさわさしい川が現れると想像してみてください。
船が迎えに来てくれるような「思い」で過ごしてきた人生なのか、大波にのまれ岩に砕かれ川底に沈むしかない「思い」で生きてきたのか・・・。
また平安時代の人が想像するあの世と、現代の私たちが考えるあの世はきっと違うでしょうし、南国の人が思い描く天国と、ヨーロッパの人のそれも違うでしょう。
あの世は想念の世界なので、その人が理解しやすい「死後の世界」が現れると考えてみると腑に落ちます。
死後に苦しまないよう、自分を律して生きることが大切だと言うことを、昔の人が方便で伝えたという理解もできます。
ただ私自身は身内の様子を見て「三途の川」も「あの世」もあると信じています。
「あの世はゼッタイ無い!」と確信できない以上、死んでからの後悔はしたくないと思っています。
死後の世界があるとすれば「地獄」もあるでしょう。
「できれば地獄ではなく天国へ」「死後はせめて安らかに」と願ってしまうのは人情ですよね。
いずれ必ず「死」を迎えることになる私たち。
今からあの世の事前学習をしておいて損はないはずです。
「あの世」はあるのか
シニア世代になって、あるいはコロナ禍で、命のはかなさを再認識し、「あの世」や「死後の世界」について思いをめぐらすことが増えたという方は少なくないでしょう。
死後の世界はあるのか、無いのか。
考えてみると、死後の世界が「ない」という証明はまだなされていません。
「死んだらおしまい」だと思っていたのに、死んでから「しまった、死後の世界はあったのか」とわかったら、どうしましょう。
想定としてはありうるわけです。
今のところ「物的に証明できない」から証拠がないとされていますが、「調査する科学技術が確立されてないだけ」という解釈もできます。
近年、臨死体験などに取り組む研究者も増えているようですから、ある日突然「あの世」についての研究成果が発表されるかもしれません。
死んでから後悔しないために
もし「死」は通過点に過ぎず、その先に別の世界があったなら。
「死」はゴールではなく、「死」は新たなスタートだったなら。
もしそうなら、死んだらおしまいとして生きていくのか、「死」の先に続く別の世界を想定して生きていくのか、その二つの生き方には当然違いが出ることでしょう。
人は、多かれ少なかれ人生の後悔はあるもの。
命に限りがあることを実感するようになった今なら、生きているうちに「しておきたいこと」、死んだあとでは「できないこと」も、だんだんはっきりしてきたことと思います。
ここでは「死後の世界」を探って「三途(さんず)の川」をとりあげてみました。
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