ふとした時に感じる疎外感。
自分だけ「のけ者」にされる感覚。
そんな【仲間外れ】にあっても、その顔ぶれを簡単には変えられないときはあるものです。
顔ぶれを変えるためには、転職や転校、転居を伴うしかない場合などです。
こんな悩みに
- グループ仲間から疎外感を感じる
- 職場の人間関係に馴染めない
- 部下から浮いている
この記事では、顔ぶれを変えずに【ひとりぼっち】から無理なく脱出する方法をご紹介します。
その人間関係で働いている「ちから」
どんな人間関係でも、そこに働く「ちから」があります。
あなたが疎外感を感じているなら、そこには「あなたを【仲間外れ】にする」という「ちから」が働いているのです。
少なくとも「あなたを大切にしなくてよい」という「ちから」が働いているのでしょう。
【仲間外れ】はこんなふうに
そう気が付いても、一度や二度なら「何、それ?」と聞けたのですが、次第に聞くに聞けない気持ちになっていきます。
自分がどんなによい意見を出しても、場が白けてしまう。そんなとき「自分は軽んじられている」と思い知ります。
もしそんなことになっていても、気に病むことはありません。
あなたに落ち度があろうがなかろうが、集団の「ちから」というのは働くものだからです。
現状の「ちから」関係を、つくりなおす
気まずい空気が流れる人間関係でも、みんなが全員同じように、あなたに冷ややかなわけでもないはずです。
温度差は必ずあるでしょう。
その温度差に応じて、働きかけやすい人から、改めて人間関係を作っていくのです。
あなたを【仲間外れ】にする中心人物が、あなたへの態度を変えてくれるとよい、と考えがちですが、ストレートにその人に働きけてもうまくいかず、むしろこじれてしまう恐れがあります。
では、順にご説明していきましょう。
個別に「気」を合わせて仲間を増やしていく
これからご紹介することは、一言で表すとこうなります。
言葉を変えるとこうなります。
「多数派工作」とは
それでは「包丁は危険だから持つな」と言ってるようなものです。
【仲間外れ】を生む環境は、誰にとってもよいものでは無いでしょう。
誰にとってもよい環境に変えるためにも、「多数派工作」が効果的です。
仮に5人グループなら
そのうちの2人が、あなた側の【仲間】になってくれれば、それが【多数派工作】です。
現在 | あなた1人 | 対 | 4人 |
多数派工作 | あなたを含む3人 | 対 | 2人 |
これで【仲間】のムードはガラリと変わっていきます。
では次に、誰に対して、何から始めたらよいか、ご説明します。
最初に作成するリスト
まずは、一人一人のことを思い浮かべてみてください。
そしてこう問うのです。
直観的で構いません。
人に合わせるのが上手な人の順にリストをつくってみてください。
この「人にあわせる」ことを「同調」と言います。
「同調」と「共感」の違いを理解しておく
同調とは、本心はともかく、「相手の言うことにあわせる」ことで、無難にやり過ごすことだと考えてください。
共感のように、心に寄り添わなくても構いません。
「このチョコ美味しいね」といえば「美味しいね!」と言ってくれる人が同調性が高く、一方で「食べすぎると太るよ」「私は和菓子が好き」などと返す人は同調性が低いと言えるでしょう。
「共感」とは、相手の気持ちを理解して、その気持ちに寄り添って「自分のことのように感じようとする」ことです。
「共感」は簡単ではありません。ですから誰にでも「自分のことをわかってもらいたい」と「共感」を求めるのは無理があります。
「共感」は、心理学でよく使われる言葉です。
ただ、相手の喜怒哀楽の感情を理解するには、それ相応の経験や想像力が必要になります。
「片思いの苦しみ」と言われても、片思いを経験したことが無い人には、どんな苦しみなのかは、なかなか理解できないものです。
ましてや恋をしたことが無い人には難しいでしょう。
「共感」よりカンタンな「同調」
固定化してしまった人間関係の「土台」に変化をもたらすのは、「風」です。「風」は人が動くことで、そよぎます。じっとしていては何事も変わりません。無理なく「行動」、自分から「行動」、そう心がけてみてください。土台は大切ですが、風も吹かない土は腐ります。土台をリフレッシュさせるためには、新しい風を起こしましょう。
リストを、あなたを中心にして点検する
「人に合わせるのが上手な人」とは「同調が上手な人」ということです。
先ほど作ったリストを、あなたを中心にして並べ替えてみましょう。
あなたを中心にすると、少し順番が変わったかもしれません。
本人が持っている「同調性」と、あなたへの「同調性」を総合的に判断してみてください。
そのリストの、上から順に、その人との接点を増やしていきます。
リスト(例)
- Aさん
- Bさん
- Cさん
- Dさん
- Eさん
ではこれから、何を、どのように、行っていくのか、ご説明します。
何を、どのように、行っていくとよいのか
「二人きり」の関係が大切
まずはコミュニケーションの機会を増やすことを目標にしてみてください。
みんなに対して同時に働きかけるのではなく、一人一人と話すことを大切にしましょう。
「同調」する傾向が強い人ほど、他の人にあわせて、あなたを【仲間外れ】にしています。
その力関係を崩すためには、あなたに「同調」してもらえるよう、「あなたと二人だけ」の場を大切にしてください。
同じ場に他の人がいても構いませんが、コミュニケーションは「二人きり」で行うことから始めましょう。
メールやラインなども無理なく活用してください。
ただし、対面のほうが、効果は上がりやすいです。
「みんな」に一斉に働きかけても、人間関係改善にはつながりません。上司が、ミーティングで「みんな、自由に何でも意見を出して」と言ってもシラーッとするあの感じを思い出してください。冷えた関係改善は、あくまでも個別に改善していくことが出発点です。
「たずねる」ことから
「同調」の関係を高めていく、一番かんたんなことは【たずねる】ことです。
相手が、何も考えなくても答えられる質問から始めましょう。
「はい」「そうですね」などで返答できるものがよいでしょう。
職場なら
あなた「この本、返却はここですね?」
⇒ 相手「はい」
あなた「今週は忙しいですね」
⇒ 相手「そうですね」
プライベートなら
あなた「お天気で気持ちがいいわね」
⇒ 相手「そうね」
あなた「それ、話題の新商品でしょう」
⇒ 相手「そうなのよ」
まずは単純に「はい」「そうですね」と、同調してもらえることを投げかけてみてください。
もちろん、相手から何か話しかけられたら、できるだけ「同調」しましょう。
オウム返しは効果的ですよ。
冷えた関係は「同調」から始めましょう。
「教わる」ことも
「たずねる」で「同調」の回数を増やせるようになったら、「教わる」ことにチャレンジです。
相手にとって、簡単に教えられることを教わりましょう。その人の得意分野や、やり慣れていることなどを聞くとよいでしょう。
たとえばこんなことです。
職場なら
「そのワード操作、教えてもらえる?」
「いいお店、ご存じないですか」
プライベートなら
「オススメの映画、教えて」
「美味しいパン屋さんて、どこ?」
教わったらどんな小さなことにでも「ありがとう」と感謝の言葉を添えましょう。
「行動」につなげる
「そのワード操作、教えてもらえないかな」と頼めば、一緒にパソコンを操作する時間がつくれるでしょう。
「おススメの映画、教えて」とたずねれば、一緒にコーヒータイムを過ごすことになるかもしれません。
こうした個別の働きかけは、少なくとも、「二人以上の相手」に対して、同時に行っていきましょう。
「三人以上」になる
「同調」レベルが上がってきたら、「三人以上」の行動を始めましょう。
あなたを含んで三人となればいいので、たとえばこんな風に。
Aさんを誘って、Bさんおすすめのパン屋さんに行く。
職場なら、あなたを含んで、三人でできる仕事を作るのです。
あなたと、Aさんの間にできている「同調」関係
に、Bさんが「同調」してくる
あなたと、Bさんの間にできている「同調」関係
に、Aさんが「同調」してくる
⇒その結果
三人の同調関係がつくられていく
こうして「グループ」として「同調」できるようにしていくのです。
三人の調子がある程度合うようになってきたら、また一人、加わってもらう。四人で同調できるようになったら、また一人増やしていく、というように、進めていきましょう。
あなたを【仲間外れ】にする中心人物に、間接的に働く「ちから」
こうして丁寧につくってきた「同調」の輪が、あなたを【仲間外れ】にする中心人物に、間接的に働いていきます。
私たちは、同じ人間関係の中の他の人から疎外されるのを嫌います。
誰にとっても【仲間外れ】はつらいのです。
ですから、同調性の高い人は、積極的にあなたを【仲間外れ】にしようとしているつもりはないのかもしれません。
みんなに合わせて、結果的にあなたを【仲間外れ】にすることに加担してしまっているとも言えるでしょう。
これが、あなたの味方を増やすことにつながっていきます。
特定の誰かに直接働きかけて「私を仲間外れにするのはやめて」というより、「多数派工作」は穏やかに人間関係を変えていけます。
「外堀を埋めていく」という表現も、ご理解いただきやすいかもしれません。
まとめ
こうしてあなたの味方を増やすことで「ひとりぼっち」から脱出できます。
まずは「同調」してくれそうな人のリスト、つくってみてくださいね。
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