「もう人間関係なんかいらない!」と、思ったことはありませんか? そんなとき、関係を絶つ方法を思案したり、逆に深く考えないようにしたり、あるいは人間関係のいらない仕事は無いかと探してみたり。人間関係の悩みはつきることがありません。
また、どんなに悩んでいたとしても、平気で人間関係を切るような人になっていいのだろうかと迷うことや、あるいは、人間関係がうまい人もいるのだから、自分に何か落ち度があるのではないかと考えてしまうのも当然でしょう。
この記事では、人間関係リセット症候群とは何か? 友達は少ないほうがいいという話を聞くのはなぜなのか? そして、人間関係がめんどくさいと感じるのはどんなとき? といった話題にも触れながら、人間関係を深掘りしていきます。人間関係に悩んでいる方へのヒントになれば幸いです。
記事内容
- 人間関係を整理することは大切
- 人間関係は切るよりいい方法がある
- 自分自身との向き合い方が人間関係の質を決める
- 人間関係は「量」より「質」を
目次でお好きなところからご覧いただけます。
いらない人間関係を切るかどうかと悩んでいるなら
人間関係を切る人が知らない極意
いらない人間関係は切り捨ててしまいたい! 誰でもそう思うことはあるでしょう。私たちの悩みの多くは「人間関係」だと言われていますので、自分の心の平和と時間を取り戻すために、人間関係を整理したいと願うのは自然なことなのです。
ただ「切り捨てる」という言葉には痛みが連想され、罪悪感や怒りが伴います。ですから、いらない人間関係は、できるだけ、「手放す」と考えることをおすすめします。そうするだけで、人間関係に伴う様々な気持ちが変わっていきます。
これは当然のことです。
人間関係を「切り捨てる」と、切り捨てた側もどこかで傷を負ってしまうものです。切り捨てたはずなのに、苛立ちを引きずったり、後悔したり、自分を正当化しようと言う気持ちがずっとついてまわるのです。
その点、「手放す」のであれば、いらない人間関係に対して穏やかな気持ちでいられます。「切り捨てる」という攻撃性はありません。小さな違いのようで、実は人間関係の極意です。
もちろん相手のあることですから、相手がどう感じるかはわかりません。ただ多くの相手にとっても、「切り捨てられる」より「手放された」ほうが痛みはずっと小さなものになるはずです。こちらが発したエネルギーは、反発して返ってくるのが世の常です。放すだけなら反発のエネルギーは生じません。
また、人との縁には賞味期限もあります。どちらが悪いということではなく、今はその縁が必要ではなくなったというケースもあるでしょう。そんなときも、
ストレスから解放される
そもそも人間関係に煩わされず軽やかに生きている人は、自分の気持ちに正直であり、人間関係においても無理をしない姿勢を持っています。「切り捨てる」というのは力んで無理をすることでしょう。
人間関係が軽やかな人は、人間関係において重要なのは質だとわかっています。ですから「切り捨てる」より「手放す」のです。また人間関係は、人数や共に過ごす時間などの量ではかれないことも体験的にもわかっているので、多くを持ち過ぎないようにしています。
そうして自分にとって価値あることにのみエネルギーを注ぎ、それ以外は思い切って手放していくのでしょう。また、彼らは自己成長や自己実現を重視し、それを妨げるような人間関係は遠慮なく手放すようにしています。
人間関係のストレスから解放され充実した生活を送ることは、自分を大切にすることです。実は、自分を大切にできる人こそが、他者を大切にできる人でもあるのです。
人間関係を切る前のアサーティブなストレス対応
人間関係を切ってしまうとき、その決断の背景には、さまざまな理由があります。多くは、その関係が自分にとってマイナスの影響を及ぼしていると感じたときです。例えば、相手からの批判やネガティブな言動によって自己肯定感が低下したり、エネルギーを奪われるような感覚を覚えたりする場合です。
この場合は相手へのストレスが溜まっているので、「切る」「切り捨てる」という気持ちがわいてくるのも理解できます。ただ、相手はあなたに迷惑をかけている自覚が乏しい事も多いのです。
ストレスのもとになっている相手には、できるだけアサーティブな対処をしておきたいものです。
アサーティブとは
アサーティブとは、自分の考えや感情、ニーズを正直に、かつ適切に表現することを指す言葉です。アサーティブな人は、自分の権利を主張しながらも、他人の権利や感情を尊重するバランスを保つことができます。このスキルは、自己肯定感の向上、ストレスの軽減、人間関係の改善など、様々な面でポジティブな影響をもたらします。
アサーティブな対応の例
「たまには私の話も聞いて。いつもあなたの話の聞き役で、つまんない」
「いつも私があなたの都合に合わせているように思う。あなたも私の都合に合わせてもらえると私も助かる」
「あなたがアドバイスをくれるとき、私はあなたから、駄目な人って言われている気がするの、だからアドバイスはもういらない」
「私の体型のことを、あなたが他の友達に面白おかしく話しているって聞いたのだけど、本当だとしたらとても傷つく」
伝えるべきことは伝えるほうが、こちらの心の負担が軽くなります。そのためにも、自分の気持ちにきちんと向き合うことが大切です。
めんどくさいと感じるのはどんなとき?
人間関係がめんどくさいと感じるのは、自分の感情や考えを理解してもらえないときや、相手の要求が自分にとって負担に感じるときです。前述したように、どちらかが、いつも聞き役に回ったり、相手のスケジュールに合わせすぎていると、いつのまにか負担が積みあがってしまうものです。
また、自分が本音を言いにくい環境にいるときや、相手との価値観が大きく異なるときも、人間関係が煩わしく感じられることがあります。上司とウマが合わない、家族ぐるみの付き合いを強いられるなどの場合です。
このように、自分の内面が疲弊してしまうような関係は、ストレスの原因となり、人間関係を面倒だと感じさせるのです。言ってしまえば、「めんどくさい」と感じるほど、自分の心が疲れてしまうような関係は、見直す必要があるかもしれません。
価値観の違いはストレスになる
価値観の違いというと大げさに感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、お金や時間の使い方の違いは、価値観の違いを端的に表すものと言えるのです。
たとえば、ランチは千円未満で収めたい人と、3千円位はかけたい人では、関係を続けることは難しいでしょう。また夜は自宅で過ごしたい人と、夜の外出が楽しい人では、付き合い続けることが負担になる傾向はあるのです。
それでも人間関係を続けていこうとすると、自分自身の幸福を損なうことにつながるため、ぎりぎりまで無理して、一定の限界を超えたらいきなり「切り捨てる」という決断に至るのでしょう。
そうならないためには、不満をためる前に、アサーティブな対応をし、それでも難しい場合は、その人間関係を「手放す」と考えていけばよいでしょう。言ってしまえば、自分の幸福を大切にするためには、必要な選択をするだけのことです。
相手が悪いわけでも、自分が悪いわけでもない人間関係はいくらでもあります。そこに無理が生じているなら、その人間関係は手放したほうがよいのです。
つまり価値観に違いがあり、お互いの都合に無理があってストレスを感じるような関係であるなら、「いらない人間関係」の対象と考えてよいのです。
関係を断つための方法を探求する
いらない人間関係を断つことは、容易ではないこともあります。職場や親戚、近所などとの間では、後戻りできない事もあるからです。適切な方法とタイミングは考えたほうがよいでしょう。
これまで見てきたように、まずは自分自身の心と真摯に向き合うことが肝心です。自分にとって必要な人間関係とは何か、どの関係がストレスの源になっているのかをはっきりとさせましょう。
自分自身をありのまま受け入れることで、他者との関係にも健全な距離感を持つことができるようになります。
例:義実家
例えば義実家との関係に負担があっても、それを「義実家がイヤ」と片づけず、「宿泊するのがイヤ」「姑の味付けがイヤ」「夫を猫かわいがりする様子が不愉快」と具体的に考えてみるのです。案外「折々に子供にお祝いをくれるのは助かる」「外食は楽しい」という点にも気が付きます。そして、一つひとつを具体的に考え対処していくのです。
丁寧に考えた分、同じ相手であっても「手放すべき関係」と「今後も維持したい関係」がわかり適切に対応することができるようになるでしょう。
例:職場
改善したい人間関係を見極めたら、相手に対して誠実に自分の感情を伝えること、アサーティブな対応は重要です。「この関係を続けることが、私にとっては難しい」と感じていることを具体的に伝えてみるのです。
例:陰で自分をばかにしている職場の同僚
〇
「私があなたに迷惑をかけているように感じているのだけど、思い違いかしら。もし改善できることがあれば教えてね。」と、自分の気持ちを表現するように努めましょう。
×
「あなたが私のことを迷惑だと言っているらしいけど、私のどこが気に入らないのか言って」と、「あなた」を主語にして伝えることは避けましょう。
相手との今後の関係を考える際も、共感と理解を持って接することが、互いにとって前向きな結果をもたらします。
自分の内面に注意を払いながら人間関係を整理することで、自分自身を大切にすることが可能になります。
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「人間関係が上手い(うまい)」と言われる人がしていること
「人間関係が上手い」と言われる人は、相手の良い面を見つけて認めることがとても上手です。そのような人は、自分にとって必要ないと感じる人とも、敬意を持って接することを心がけているものです。
また、自分の意見を伝えるときにも、相手の感情を考えながら、柔らかい言葉遣いで伝えることができるのです。これまで見てきた通り、アサーティブであることを心がけることも大切です。
そしてもう一つ大切なことは、
「こら! 気をつけろ」
こんな言葉も、発した相手や、シチュエーション、どんな気持ちで言ったかによって、受け取る側の印象は全く違ってきます。次の二つの違いを想像してみて下さい。
①あなたが崖で足を踏み外しそうになった時、あなたを守ろうと家族や恋人が発した一言。
②キックボードで猛スピードで駆け抜けていく人と、ぶつかりそうになった時、相手から言われた一言。
伝えたいことを相手に伝えることができれば、それだけで改善できる人間関係もあるのです。ただ言い方には十分気をつけましょう。相手が不快感を感じずに受け止めるられるよう、相手を尊重し、感情に配慮することは、一朝一夕に身につくものではありません。「人間関係がうまい」と言われる人は、実は日頃から地道な努力をしてきた人なのです。
人間関係を深く考えないメリット
人間関係を深く考えずぎないことにもメリットがあります。それは心の余裕を保てるということです。人間関係に囚われすぎると、心が疲れてしまい、本来楽しむはずの日々が苦痛になっていくこともあるのです。
いらないと感じる人間関係ならなおのこと、深く考えないことで、自分の心を解放し、自分自身や大切な人との関係に集中することができるでしょう。
例えば、一人の時間を楽しむことができたり、趣味や仕事に没頭することができたりします。心の余裕を保つことで、心の健康を取り戻し、人間関係から生じる日々のダメージに対して耐性も培われます。
心に余裕がない時ほど、人間関係にもネガティブなことが多くなりやすいものです。人間関係を深刻に考えすぎず、心の余裕を取り戻すことは、結果的に人間関係を改善していくことになるでしょう。
仕事や会社を選ぶ
そもそも人間関係に、ダメージを受けやすい人とそうではない人がいるのも事実です。もし自分がダメージを受けやすいとわかっているなら、人間関係が重視されない仕事や会社を探すことはおすすめです。
その際には、まず自分の価値観や仕事への姿勢をしっかりと理解することが重要でしょう。職種や職場についてできるだけ丁寧にリサーチをし、自分に合った環境を見つけることが大切です。
例えば、プログラマーやデータアナリストなど、独立して作業を進めることが多い職種では、人間関係に悩む機会が少ないかもしれません。レジ打ちなどの仕事も、担当エリアだけで済むのか、バックヤードでは共同作業が多いのかなど、職場によって異なることもありますので、転職を考える時は、よく確認することをおすすめします。
また、リモートワークやフリーランスといった働き方も、人間関係を最小限に抑えたい場合の選択肢となるでしょう。これらの働き方では、直接的な人間関係を築く機会が減少し、自分のペースで仕事を進めることが可能になります。自宅や好きな場所で静かに集中して仕事をすることができる環境を整えることで、ストレスを軽減しつつ効率的に業務をこなすことができるでしょう。
自分に合った働き方を見つけることで、人間関係に悩まされることなく、充実した仕事生活を送ることができれば、人生そのものの質が大きく改善されるはずです。
やってはいけないこと
よい人間関係を築く上で、やってはいけない最大の注意点、それは「無理に関係を続けようとすること」です。
あなたを取り巻く人間関係は、なぜあるのか、なぜその関係を続けようとしているのか、その「なぜ」を自問自答することが大切です。
「なぜ」の答えを考えた分、自分にとって必要な人間関係かどうかがよくわかります。惰性や習慣で人間関係を維持していると、知らず知らずに失ってしまうものも多いのです。よりよい人間関係を求めて、行動を起こすことも大切です。
また、よい人間関係を築くための基本的なこととして、相手に対して否定的な言葉を投げかけたり、無視したりする行為は避けるべきです。これらの行動は、相手を傷つけるだけでなく、自分自身の心にも疲れをもたらします。
大切なのは、お互いの心地よい距離感を保ち、関係を健康的に維持することです。そのためには、自分自身の心を大切にし、常に心に余裕を持つことが重要です。自分を尊重することが、相手を尊重することへとつながり、関係を円滑に保つ秘訣となります。
「いらない人間関係を切るのがよい」という考えの是非
友達は少ない方がいいのはなぜですか?
かつて、昭和の時代には「友達100人できるかな」という歌が流行し、友達は多ければ多いほど良いとされる風潮がありました。しかし、近年では友達の数よりも質を重視する考え方が増えてきました。それをもって「いらない人間関係は切るのが良い」とするならば、あながち否定はできません。では、なぜ友達は少ない方が良いとされるのでしょうか。
友達が少ないといい理由の一つは、一人ひとりとの関係を深く育むことができることです。深い信頼関係を築きやすく、相手のことをより深く理解する機会が増えるでしょう。
つまり、友達の数が少なければ、それぞれの関係に多くの時間とエネルギーを注ぐことができ、結果として友情の絆が強まるのです。したがって友達が少ない方が、より充実した人間関係を築くことが可能になるわけです。
そもそも昭和の時代は、人々の活動範囲が限られており、「友達100人」というのはある種の憧れでした。しかし、現代はSNSなどの影響で、意図せずとも多くの人とつながることが可能になりました。このように人々とのつながりが増えた社会では、人間関係の「量」が増える一方で、その「質」を見直す必要性が高まっています。
現代は、人類がかつて経験したことのない新しい人間関係の形態が進んでおり、それが負担と感じるのは自然なことです。人類の歴史上、想定していなかった「量」的人間関係に、無理が生じていることに、もっと注意を払ったほうがよいのです。人間関係の「質」を取り戻すためにも、「量」を見直すことは、大変重要なテーマなのです。
人間関係リセット症候群とは?
人間関係リセット症候群とは、言葉通り、自分の人間関係をリセットしてしまう行動パターンのことです。何らかの理由で人との関係を一新したいと感じ、SNSのアカウント削除や連絡先の削除などを行う人を見かけたことはありませんか。リセットされた側は少なからずショックを受けることもあり、社会現象として注目されています。
この症候群を持つ人は、人間関係において何か問題が生じた際、その問題を解決するよりも、関係自体を断ち切ってしまうことで解決しようとしてしまうのです。この行動は一時的な解決策となることが多く、長期的には人間関係を築くことが難しくなるリスクがありおすすめできません。
人間関係リセット症候群は、問題から逃避することで一時的な安心感を得るものですが、根本的な解決にはならないと言えるでしょう。そのため、自分にこの症候群が潜んでいると気づいたら、自分の感情や人間関係に対する向き合い方を見直すことが大切です。
ただ前述したように「量」的な人間関係が多すぎる現代、一時避難として「リセット」するしかないケースがあることは否定できません。人間関係リセット症候群は、特定の人が陥るというよりも、誰もがなりうることとしてお互いに配慮していきたいものです。
【まとめ】いらない人間関係は切る!と思った時は
人間関係は、私たちの人生において避けて通れないものです。しかし、すべての人間関係が私たちにとってプラスとなるわけではありません。時には、「人間関係いらない」と感じる瞬間があり、それは自分を守るための本能的な反応かもしれません。大切なのは、自分の心の声に耳を傾け、価値ある関係にのみエネルギーを注ぐことです。
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- 幸せな暮らしのヒントを、スピリチュアルなテイストを加えてお伝えしています。
【仕事の経歴】人材育成コンサルタント・産業カウンセラー・ローカル局ニュースキャスター・ナレーター(恩師|お茶の水博士・ベルクカッツェ)・女性組織創設運営・CMプランナー。
【暮らしの経歴】認知症や身障等の家族(計5人)との暮らし・シングルマザー・生家倒産・地方暮らし・本家長男の嫁・議員の後添え・夫の議員引退を機に、故郷の雪国から子や孫のいる関東に転居。
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