怒りや焦り、悲しみや不安――。
気づけばそうした感情に引きずられ、つい余計な一言を口にしてしまったり、やる気が出ずに心がどんよりしてしまったり…。
「どうして、いつもいつも…」と、自分の感情に振り回されてしまったもどかしさを抱えるとき。
けれど、もしその瞬間、「いま、私はどんな気持ちなんだろう?」と、静かに立ち止まり、心の内側を見つめることができたなら――。
感情にコントロールされる側から、自分自身が“感情を見守る側”へと、立ち位置を少しずつ変えていくことができるのです。
この記事では、「気持ちに振り回されない」ためのヒントとして、「心の観察」というやさしい習慣をご紹介します。
さっそく、心理学とスピリチュアル、ふたつの視点から、紐解いていきましょう。
感情にコントロールされるとき、私たちは自分の気持ちに気づけていない
忙しさや緊張が続くと、心の余白がどんどん失われていきます。
そんなとき、私たちは無意識に感情の波に飲まれ、気持ちに振り回されやすくなるのです。
たとえば――
こんなふうに、自分の心の違和感を無視し続けていると、「本当の気持ち」がどんどん見えにくくなり、感情に振り回される悪循環が生まれてしまいます。
けれど実は――
「ちょっと今、傷ついたかも」
「なんだか焦ってる気がする」
そんな小さな気づきが生まれた瞬間こそ、感情に飲まれない自分へと変わっていくチャンスなのです。
自分の気持ちに気づくことが、感情にコントロールされない自分に変わるチャンス
「心の観察」が、感情との健やかな関係を取り戻すカギに
心理学では、自分の思考や感情をひとつ上の視点から眺める力を「メタ認知」と呼びます。
このメタ認知が育ってくると、たとえ感情の真っただ中にいるときでも、その波に飲みこまれにくくなっていきます。
たとえば――
私たちの感情は「良い・悪い」でジャッジすべきものではないですよね。
それはむしろ、「今、何が足りていないのか」「何を求めているのか」を知らせてくれる内なるメッセージのはず。
ですから、感情にコントロールされそうになったときは、「この気持ちは何を伝えようとしているのかな」と、自分の心に問いかけてみませんか?
それが、気持ちに振り回されずに生きていくための、新しい習慣の入り口となってくれることでしょう。
感情に振り回されない自分を育てる「心を見つめる」習慣
こうした“心の観察”が、最初からうまくできるとは限りません。
感情がぐわっと湧いた瞬間には、もうすでにその感情に心が飲まれていることが多いからです。
ですから、まずは「その場でできなくてもいい」と、自分をゆるすところから始めませんか。
大切なのは、あとで振り返ってみること。
「さっき、あの人のひと言に反応してイラっとしたな」
「今思えば、ちょっと自分が舞い上がっていたかもしれない」
そんなふうに、自分の感情に後から気づくことで、心の中にある“もつれ”が少しずつほどけていきます。
この習慣を重ねていくと、やがて「今この瞬間の自分」にも気づけるようになっていくのです。
これは、心理療法のひとつであるマインドフルネスの考え方とも共通していますね。
そして、スピリチュアルな視点から言えば、私たちの魂はもともと愛と光に満ちた存在です。
けれど、日々の感情――怒り、嫉妬、不安――に覆われて、その本来の輝きが曇ってしまうことがあるでしょう。
「心の観察」は、その曇りに気づき、ケアしていくプロセスでもあるのです。
「今、心が乱れていたな」
「浮かれすぎていたかもしれない」
「ちょっと心の中に毒がたまってたかも」
そうした“気づき”が増えてくると、心の曇りは自然と薄れていき、魂の輝きが少しずつ戻ってきます。
まずは、自分の気持ちに気づくこと。
それが、感情にコントロールされずに生きるための最初の一歩となるでしょう。
小さな「気づき」が、感情に振り回されない自分を育てる
最後に、Xのポストに短くまとめたものをご紹介させてください。
\ポストは⇩からもご覧いただけます/
たとえば、「私、いま焦ってるな」「なんだかネガティブになってるかも」と気づくことはとっても大切。これを心がけると、感情に振り回されないようになります。
自分が「今、どんな気持ちか」「どう感じているか」と、ひとつ上の視点から見つめる“心の観察”🪞新しい習慣は、きっとプラスになります。 pic.twitter.com/eqNFTLl1qJ— 山辺千賀子/やまべちかこ (@white7pearl) April 2, 2025
日々のなかで、自分の感情に気づいた瞬間。
自分の心を、第三者の目で眺めた途端、感情のエネルギーがすっと落ち着く…。
きっとそんな不思議な軽さを感じるはずです。
大切なのは、自分を責めるのではなく、否定せず、責めず、「ああ、そう感じてるんだね」とやさしく認めてあげること。
感情に振り回されることのない自分になるためには、特別な才能も道具もいりません。
ただ、「今の私、どう感じてる?」とやさしく問いかけることから、すべてが始まります。
感情に振り回される日々は、そっと手放していく――。
私たちの心は、気づきとともに、もっと自由に、もっと軽やかに生きていけるのです。