医師や看護師など、
医療従事者への
不満はよく耳にします。
特にコロナ禍の今、
不満は高まっているようです。
何時間も待って診てもらったのは3分
医師は、私の顔すら見なかった
看護師が横柄で不愉快だ
患者を「さばいている」としか見えない
など。
具合が悪いから病院に行くのに
その上、医師や看護師に対する
ストレスまでためてしまっては
体によいことはなさそうです。
こんな思いの方にも
- 主治医が偉そうで嫌い
- 感じの悪い看護師がいる
- 病院に行くたびにイライラする
私たち患者側の「不満」は軽減できる
私たち患者側が
医療従事者に対して感じてしまう
「イラッ」
は、軽減することができます。
もちろん
医療体制に関する問題、
なぜ病床が足りないのかとか、
なぜたらいまわしにするのかなど
こうした根本の問題解決は
当事者である医療関係の方と、
政治行政の皆さんに
期待するしかありません。
けれど、私たちが感じる
「イラッ」
を、少しでも小さくすることは
私たちの心身の健康をまもり
切迫した医療現場で
頑張っている方々への
エールにもなるように思います。
「白衣の天使」・・・人間に天使は無理かも
たとえば
「白衣の天使」
この言葉には
私たちが無意識に
医療関係者に対して抱いてしまう
期待レベルの高さが象徴されています。
「このくらい当然でしょ」
の、当たり前レベルに
「天使」
が、設定されてますからねえ、
もう大変です。
白い作業服の
おっちゃんとおばちゃん、
くらいのイメージなら
期待のレベルが
ぐっと下がるんですけどね。
同じ人間に対して
「天使」を期待するのは
ちょっと無理がありそうです。
医師が「接遇」に取り組むことなど、30年前はほとんどなかった
私が人材育成の仕事を始めたのは
今から30年くらい前に
なりますでしょうか。
医師の態度が
問題視され始めたころとはいえ、
医師が「接遇」に取り組むなどとは
まだ考えられなかった頃のことです。
ですから先駆けのほうだったと思います。
総合病院や個人クリニックなど
様々な医療機関からも
お問い合わせを頂き
「患者サービス」
「医療現場での接遇」
「患者満足度」
等をテーマに、
医師の皆さんにもご参加いただき
研修会などを実施していました。
あるドクターの、同業者への本音
指導に際しては
現場の取材も行いますので
当事者である
とあるドクターにきいてみました。
「どうして医者って
感じが悪い人が多いんですか」
ストレートパーンチ!
だったかもしれませんね。
不躾な質問に
ドクターは
優しく諭してくださいました。
「医師になるためには、
かなり勉強しなくてはいけない。
医者を目指す人は、
中学高校ともなれば、
他の子が遊んでいても
自分は勉強をする。
大学でも、
友情や恋愛重視の
学生生活を
送ることもできただろうに
自分は勉強をする。
まわりからも
勉強することを期待される。
そうやって
医師の多くが誕生する。
この現実を考えれば、
対人関係が苦手な医師がいるのは
当然と言えば当然でしょう。」
「言葉は悪いが
チャラチャラと青春を過ごして
対人能力を磨けたとしても
医療の勉強を
おろそかにしてきたであろう医師と
愛想は悪いけど
しっかり勉強してきた医師と、
どっちがいいのかといえば、
私なら病気の時、
愛想が悪いが勉強してきた医師に
自分を任せたい。」
なーるほどー。
満足は、期待のレベルに左右される
たとえば
ディスカウントショップに行って
店員の態度が悪いとか、
マナーがなってないなどと
不満に思うことって少ないはず。
ところがデパートだと、どうでしょう。
ディスカウントショップの店員さんより
ずっと丁寧に対応してくれたとしても、
デパートの店員さんの
ちょっとした言動のほうが
カンに障って
不愉快になるということが
生じやすいとは思いませんか。
つまり、
実際の対応の良し悪しではなく
こちらの期待が大きくなると、
なかなか満足しなくなるという
傾向があるわけです。
不満が生まれやすい
医師や看護師へ期待するよりも
医療に従事されている方に対しては
患者としては
ものすごく期待してしまいます。
こちらが苦しんでいるので
助けてほしい
優しくしてもらいたい
つらさをわかってもらいたい
など「人間力」への
期待はマックスです。
そこをぐっとこらえまして
「感じがいいとか悪いとかよりも」
「医療知識を持っていらっしゃるか」
「医療技術を発揮されているか」
という医療の専門家としての
「機能」に
注目するとよいかもしれませんね。
「白衣の天使」
ではなく
「白い作業服の専門家‥‥」
病院は、病気だらけ
その中で働いてくださるだけでも
頭が下がります。
ねぎらいと感謝が増えれば
医療現場の「切迫感」も
少しは和らぐかもしれません。
そうなるといいなあ。